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高度先進医療に関わり働くには
高度先進医療に関わりたい看護師は、その転職先としてどのような職場があるのでしょうか。また、自身が実際に現場で働く様子をイメージできますか?将来のビジョンも視野に入れて、ぜひ自身のこれからを考えるきっかけにしてみてください。
どこで活躍できる?
高度先進医療といえば、多くの人が最先端の医療機器と高度な技術を駆使する外科療法や、進化している移植・再生医療などを連想することでしょう。具体的には、陽子線治療や重粒子線治療といったがん治療に用いる放射線療法のほか、腹腔鏡下膀胱尿管逆流防止術、内視鏡的胃局所切除術などが高度先進医療とされています。こうした専門的な医療技術を必要とする手術・治療は、大学病院や国立病院、がんセンターといった大規模な医療機関で実施していることがほとんどです。看護師は、これらの場所にて最先端の医療に触れることで、常に新たな知識をアップデートしていけます。自己成長できる環境に身を置き、アグレッシブに働きたいのであれば、高度先進医療に関わる職場への転職は理想的なのかもしれません。
この高度先進医療には、上記のような手術・治療以外にも、検査や診断についても該当するものがあります。たとえば、家族性アルツハイマー病の遺伝子診断や、抗悪性腫瘍剤治療における薬剤耐性遺伝子検査、血中TARC濃度の迅速測定などが挙げられます。看護師は、該当する検査・診断を専門的に実施している病院や研究機関で活躍できるでしょう。たとえば、遺伝子検査を行う病院・研究機関の場合、看護師は特定の遺伝性疾患や薬剤耐性の遺伝子調査において、患者をサポートする仕事に従事します。
なかには、入院せずに済む高度先進技術もあり、実施しているのは大規模な医療機関だけではありません。CYP2D6遺伝子多型検査、子宮内膜刺激術などの入院の必要がない技術については、病院の外来やクリニックでも実施しています。そのため、転職する際の選択肢は幅広く、一方で、どの専門分野で高度先進医療に携わりたいのかを明確にしておく必要があるでしょう。そのためには、医療機関ごとの強みや特色を理解し、自身の興味がある領域も再確認しておいてください。
認定看護師の資格取得も視野に
高度先進医療に触れられる現場で活躍したいなら、さまざまな努力が欠かせません。当然ながら、がん治療や遺伝子検査、放射線治療など、転職先として考えている分野の専門知識は深めておく必要があります。入職後は、基礎研修や専門研修を設け、スムーズに実践に移れるようサポートしてくれる職場がほとんどです。先進医療を提供する大学病院やがんセンターなどで、実際に医療現場に立ち、場数を踏むことで自信に繋がる経験値を積み重ねていけるでしょう。
また、こうした高度先進医療の現場は、看護師がスキルアップしやすい環境だといえます。というのも、看護師には専門知識や技術が求められ、否が応でも成長せざるを得ない環境だからです。最新の医療技術の情報収集に加え、向上心を持って継続的に学習する姿勢を大事にしましょう。
キャリア構築を図る意味でぜひ認識しておきたいのが、認定看護師の資格取得を目指せる絶好のチャンスだということ。たとえば、「がん放射線看護認定看護師」や「がん化学療法看護認定看護師」といった資格取得を目指せます。高度先進医療の現場では重宝される資格で、自身のキャリアを構築するうえでもチャレンジしてみるのもいいかもしれません。